企業の倒産には必ず“前兆”があります。そしてそのヒントは、意外にも毎年出される「IR資料(決算短信・有価証券報告書)」に現れているのです。本記事では、プロの投資家が注目する「危ない会社の共通フレーズ」を7つ紹介し、どのように回避・分析するかを解説します。
目次
- IR資料とは何か?
- 倒産予兆ワード①:選択と集中
- 倒産予兆ワード②:新規事業への注力
- 倒産予兆ワード③:一過性の要因
- 倒産予兆ワード④:特別損失の計上
- 倒産予兆ワード⑤:財務体質の強化
- 倒産予兆ワード⑥:人材流出への対応
- 倒産予兆ワード⑦:今後の成長戦略
- 安全な企業を見分けるには?
IR資料とは何か?
IR資料(Investor Relations)は、企業が投資家向けに発表する情報のこと。決算短信や有価証券報告書、事業報告書などがあります。中には、経営者の“言い訳”や“ごまかし”が潜んでいることも。注意深く読み解くことで、危険信号を察知できます。
①:選択と集中
この言葉は「本業に集中するために不採算事業をやめる」というように聞こえますが、裏を返せば「収益源が減る」リスクを含みます。実際に不採算事業の撤退が立て続けに発表されると、その後の業績悪化につながることも。
②:新規事業への注力
聞こえは良いですが、「既存事業が厳しい」ことの裏返しである可能性も。成長余地が見込めない本業をカバーするために、未経験の分野に進出し、失敗して資金繰りに困るパターンは多くあります。
③:一過性の要因
「赤字の原因は一過性」とされることがありますが、繰り返されればそれは慢性赤字の兆候。過去数年分の資料を見比べ、「またか」と思ったら注意です。
④:特別損失の計上
減損損失や固定資産売却などが毎年のように続いている場合、「本業で稼げていない」可能性があります。これが繰り返されるとキャッシュフローにも悪影響が。
⑤:財務体質の強化
聞こえは良いですが、実際には「資金繰りが厳しく、資産を売ってしのいでいる」という可能性もあります。財務体質の“強化”は、“再建中”の婉曲表現であることも。
⑥:人材流出への対応
人材の流出を公式に認めるのは異例。その上で“対応を進めている”という表現があれば、人員確保が難航しているか、職場環境に問題があることを示唆している可能性があります。
⑦:今後の成長戦略
“これから成長する”というフレーズは、現時点では成長していないということ。将来に期待をつなぐ表現は、過去の失敗の上塗りになっていないか要チェックです。
安全な企業を見分けるには?
こうしたワードを“見抜く目”を持つことは、損失を避ける第一歩です。一方で、堅実経営を続けている企業は、IR文書も安定しています。たとえば、キャッシュフローや自己資本比率、配当性向を重視している企業は、長期投資に向いている傾向があります。
とはいえ、すべての企業のIRを読み込むのは手間がかかります。そんなときにおすすめなのが、銘柄分析ツールや情報が充実している証券口座の活用です。
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まとめ
IR資料は企業の“本音”が現れる場所。文面をただ読むのではなく、その裏にある「意図」を読み解けるようになれば、倒産リスクのある企業を自然と避けられるようになります。投資家として生き残るために、読み解く目を養いましょう!